日本病院総合診療医学会雑誌
Online ISSN : 2758-7878
Print ISSN : 2185-8136
症例報告
iMCD-NOSの特徴が混在した,「iMCD-TAFRO以外のTAFRO症候群」の 1 例
平田 哲 河島 昌典山崎 理恵佐藤 只空古本 健太郎永田 健岡本 良一
著者情報
ジャーナル フリー

2023 年 19 巻 4 号 p. 274-280

詳細
抄録

症例は 73 歳男性。半年間で 10 kg の体重減少と,血液検査で貧血と血小板減少を認められ,当科に紹介,入院となった。頸胸腹部造影CTでは全身のリンパ節腫脹,胸腹水を認めた。鼠径・頸部リンパ節および骨髄生検では有意な所見は認めなかった。入院後に腎機能低下,CRP上昇,発熱を認めた。感染症,自己免疫疾患,悪性腫瘍等を否定し,TAFRO症候群と診断した。プレドニゾロン内服治療により,臨床症状および血液検査所見は改善した。本症例はiMCD-TAFRO国際診断基準のTAFROsyndrome, not iMCD-TAFRO(その内,除外基準に該当する疾患の並存を認めないもの)に当たるが,報告例は稀である。また,iMCD-TAFROとiMCD-NOSの特徴が混在していたため,その臨床像について報告する。

著者関連情報
© 2023 日本病院総合診療医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top