日本病院総合診療医学会雑誌
Online ISSN : 2758-7878
Print ISSN : 2185-8136
症例報告
高齢者 COVID-19 の典型例にみるポストコロナの発熱,感冒診療の問題点
楠 博 大谷 伊知郎三木 良久
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2025 年 21 巻 2 号 p. 39-45

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抄録
COVID-19 が感染症法上5 類相当に移行した2023 年以降も,医療機関ではコロナ禍初期からの感染対策が継続され,発熱や感冒患者に対する診療の問題点が顕在化している。発熱や感冒患者の診療においては,感染防止が最優先され,患者は隔離され,簡単な検査や解熱剤処方のみで帰宅させられることが現在でも多い。このため,他の疾患や重症化リスクが見落とされるリスクがある。本稿で提示する 2024 年夏に診療したCOVID-19の高齢者2例では,通常の診察と血液検査を行い,抗菌薬投与によって改善がみられたが,即隔離や,抗原検査と解熱剤投与のみの簡略化された診療により,患者が重症化したリスクもあったと考えられる。 医療機関は限られた資源の中で,柔軟な対応が必要であり,発熱・感冒患者に対してもより適切な環境とフォローアップが求められる。今後は,患者の重症度に応じた柔軟な診療体制の構築が必要である。
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© 2025 日本病院総合診療医学会
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