抄録
症例は29 歳男性。屋外で倒れていたところを発見され救急搬送された。薬物摂取を示唆する状況は見られなかった。意識レベルは GCS11 E4V2M5,左瞳孔は散大し,眼球クローヌスあり。頭部 MRI と髄液検査では異常を認めず,M-STAT®を用いた簡易尿中薬物検査キット(以下,薬物キット)では三環系抗うつ薬とメサドンが陽性であった。未診断のまま入院し,3 日後に意識が回復し,本人は薬物摂取を否定した。後日,警察の定量分析でジフェンヒドラミン(DPH)が検出され DPH中毒と診断した。薬物キット陽性は交差反応を含むものとして,一般用医薬品を含めた中毒を鑑別に挙げるべきと考えた。