抄録
今回著者は,難治性の高齢者湿疹性紅皮症に対して先行する皮膚科治療に包括的治療を組み合わせ症状緩解に至った 1 例を経験した。前医では薬疹を疑い薬剤中止,抗アレルギー剤やステロイド外用剤を投与したが治らず,ステロイド剤(プレドニゾロン 15 mg/ 日)の内服を追加した。その後も軽快と増悪を繰り返すため当科を受診。皮膚生検を含む血液一般検査には特徴的所見が得られず,前医と同様,原因特定はできなかった。昼夜を問わない激しい掻痒と全身のほてり,強い不安とイライラ,意欲低下,食欲不振,不眠などの精神神経症状に対して補助療法を積極的に試みた。二週間後に激しい掻痒がほぼ消失し,多くの併用薬を減量・中止できた。黄連解毒湯エキス顆粒を継続し,1 か月後に皮疹の消退と症状緩解が得られた。本症の治療には,その病態と合併症を考慮した包括的診療を程よくミックスした総合診療の必要性が高く,かつ重要である。