抄録
背景:近視は低年齢化重症化し,将来失明の増加が懸念されている。小学1 年生の近視の増加から就学前からの近視の増加が予測された。目的:6 歳をすぎた年長児の近視の増加を証明する。
対象と方法:8 カ所の保育園にスポットビジョンスクリーナーを持ち込み,同じ年長児253 名(男児109 名,女児144 名)を,2024年春と2025 年3 月に検査をした。また2025年の近視の頻度を園庭の有無で比較した。
結果: 近視は2024 年春の6 例(2.4%)から2025 年3 月の27 例(10.7%)へと4.5 倍増加した(p < 0.0005)。2025 年の近視の頻度は園庭のない保育園(4 園138 名中13.8%)が園庭のある保育園(4 園115 名中7.0%)に比べ2.0 倍高かったが有意差はなかった。
結論:近視は6 歳をすぎた年長児で急増している。保育施設で毎日2 時間以上の屋外活動等,具体的な近視対策の早急な導入が望まれる。