日本病院総合診療医学会雑誌
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症例報告
ステロイド投与後にWarburg効果による乳酸アシドーシスの増悪を認めたびまん性大細胞型B細胞リンパ腫
笹屋 京介井本 直人 若山 知義鵜飼 俊伊藤 理恵倉橋 信悟
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2025 年 21 巻 6 号 p. 205-212

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抄録
症例は 59 歳,男性。不明熱,血球減少,高LDH血症,多発脳塞を認め救急外来を受診した。高度の全身浮腫や胸腹水,脾腫,腎不全などTAFRO 症候群様症状を認め全身状態は不良で,乳酸も高値で ICU 管理となった。TAFRO症候群,血球貪食症候群を考慮しステロイドパ ルス療法を実施したが,数時間後に低血糖,翌朝に急激な乳酸アシドーシス悪化を認めた。持続的血液濾過透析を開始したが,急激な血圧低下が進行し,入院3日目に死亡した。入院2日目の骨髄検査ではびまん性大細胞型 B 細胞リンパ腫と判明した。今回の乳酸アシドーシスは悪性リンパ腫による Warburg 効果が考えられるが,早期の化学療法が重要で,ステロイド投与での悪化リスクの報告がある。原因不明の血球減少・高 LDH 血症・乳酸アシドーシス合併時は悪性腫瘍の可能性を念頭に置き,早期診断・ 治療介入が必要であり,ステロイド投与時は慎重な観察が必要である。
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