日本病院総合診療医学会雑誌
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症例報告
病原体検査が有用であった非典型的病原体による思春期前外陰腟炎の2 例
松橋 一彦 唐渡 諒金澤 建
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2025 年 21 巻 6 号 p. 199-204

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抄録
思春期前外陰腟炎は,小児科診療において頻繁に遭遇する疾患であるが,その原因菌に関する報告は限られている。本報告では,臨床経過が非典型的であった 2 症例を通じて,腟分泌物 の病原体検査の意義を再考した。症例 1 は 2 歳の女児である。先に淋菌性結膜炎の診断がされ,その後帯下を認め,腟分泌物から淋菌が分離された。セフトリアキソンの単回投与で改善した。また院内の子ども虐待対応院内組織(FamilySupportTeam:FAST)および地域の保健所と連携を図った。症例 2 は 4 歳の女児である。帯下に対して近医でセファクロルが処方 されたが改善しないため当科を受診した。腟分泌物からインフルエンザ菌(β-lactamase neg- ative ampicillin resistance Haemophilus influen- zae:BLNAR)が分離された。抗菌薬をセファクロルからトスフロキサシンに変更し,その後帯下は消失した。思春期前外陰腟炎の治療の基本は衛生指導や刺激因子の除去である。しかし非典型的な経過のときは腟分泌物の病原体検査を行うことが,その後の方針を決める一助となる。
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