日本病院総合診療医学会雑誌
Online ISSN : 2758-7878
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総説
インフルエンザにおける麻黄湯の臨床効果とその作用機序
鍋島 茂樹
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2013 年 5 巻 2 号 p. 5-9

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抄録
20 世紀末にノイラミニダーゼ阻害薬が開発され,インフルエンザの治療成績は飛躍的に向上した。 2009 年のインフルエンザパンデミックの際も,ノイラミニダーゼ阻害薬を病初期から積極的に使用した日本は,インフルエンザによる死亡率が全世界で突出して少なかった。 ノイラミニダーゼ阻害薬は安全面においても信頼性が高いといえるが,異常行動との関連,高価格, 将来の耐性株出現,発展途上国への普及,といった面で懸念が無いわけではない。 一方,漢方薬が広く受け入れられている日本では,最近になり麻黄湯のインフルエンザに対する有効性がマスコミやインターネットにしばしば取り上げられるようになった。 一般臨床医としては,はたして本当に漢方薬がインフルエンザに効果があるのか,ノイラミニダーゼ阻害薬と比較して有効性はどうなのか,抗ウイルス作用があるのか,など気になるところである。 この稿では麻黄湯を中心に,漢方薬のインフルエンザに対する有効性とその作用機序,使用方法について述べる。
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© 2013 日本病院総合診療医学会
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