日本医療マネジメント学会雑誌
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看護師のシリンジポンプ操作に対する不安の実態と効果的な少人数グループ実習
恩地 隆上崎 真一松原 広佐々木 基陽田邉 ひとみ原 弘道
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2011 年 12 巻 1 号 p. 52-56

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抄録

 看護師がシリンジポンプを操作する際に、どのような操作に不安を感じているのかを調査した。それらを取り除く目的で122名の看護師に対して、1講習4名の少人数グループ実習を行った。グループ実習の効果は実習前後にアンケートを実施して評価した。実習前では流量設定の方法、シリンジセットの方法、プレフィルドシリンジの設定などの操作に不安を感じている看護師が多くいた。また、押し子が外れ落差により薬剤の大量注入が起こるサイフォニング現象や薬剤の一時的な過大注入が起こるボーラス注入についての認識度が低かった。看護師業務の経験年数別では、プレフィルドシリンジ設定の操作に多くのベテラン看護師が不安を感じていた。病棟別の比較では、外科病棟の看護師は他病棟の看護師に比べ操作に不安を感じる者が少なかった。少人数グループ実習後のアンケートでは全ての操作において不安は有意に減った。またサイフォニング現象、ボーラス注入の認識度についても実習後で有意に上がった。

 今回の少人数グループ実習は、操作に対する不安を取り除き専門的な知識革新に有効であったと考えられる。

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