日本医療マネジメント学会雑誌
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炭酸ガス濃度測定による経鼻胃管位置確認方法の紹介
宮崎 吉孝木本 ちはる梅尾 さやか森 照明
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2011 年 12 巻 2 号 p. 103-106

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抄録

 経鼻胃管の誤挿入は重篤な合併症を引き起こすため、栄養投与の前には経鼻胃管の位置確認を行う必要がある。位置確認方法としては、2ステップX線撮影法が推奨されている。しかし、この方法は煩雑な上に被曝の問題があり、日常的に実施することは困難である。北米の2施設からカプノメーターを使った新たな位置確認方法が報告されている。しかし、我が国で実施するためには我が国で入手可能な機材を用いて測定回路を構築する必要があった。本研究では我が国で入手できるカプノメーターおよび経鼻胃管を用いて、確実かつ簡便に経鼻胃管の位置確認ができる方法の開発を試みた。その結果、カプノチェックⅡとサフィード胃管カテーテルの回路では、経鼻胃管先端が下咽頭にあるか、あるいは胃内にあるかを呼気炭酸ガス曲線の有無によって100%の精度で判断できた。接続も容易で測定に要する時間は1分以内であった。この方法は確実かつ簡便で日常的に実施することが可能である。

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