2012 年 13 巻 2 号 p. 65-69
東京逓信病院の平成21(2009)年度のインシデント報告では輸液ポンプ・シリンジポンプなどの医療機器の報告は第3位であった。輸液ポンプ・シリンジポンプに関する報告を頻度およびリスクを考慮し解析し、防止策として解析結果に基づいた実地講習会を行った。
解析の結果、「操作・セット方法の間違い」が最も頻度が多く、リスクが高かった。次いで「速度設定の間違い」、 「ライン管理の間違い」の順であった。
実地講習会開催後の輸液ポンプ・シリンジポンプのインシデント報告は開催前の年間96件から年間44件と54%減少した。輸液ポンプ・シリンジポンプのインシデントの発生率は未参加者が31.3%(40件/128名)と参加者の3.5%( 4 件/115名)に対し有意に高かった。
輸液ポンプ・シリンジポンプに関するインシデントではポンプに関する知識不足が主な原因であり、アンケート調査からも支持された。防止策として、これらの頻度およびリスクを考慮した実地講習会が有効であることが示唆された。