日本医療マネジメント学会雑誌
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虚血性心疾患・地域連携クリティカルパス使用がかかりつけ医の患者指導に及ぼす効果
川本 俊治松田 守弘田村 律渡辺 弘司
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2013 年 13 巻 4 号 p. 180-184

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抄録

 虚血性心疾患・地域連携クリティカルパス(LCP/CAD)の普及がかかりつけ医の心疾患再発予防の患者教育に変化をもたらすかを明らかにする。

 国立病院機構呉医療センターではLCP/CADを2007年より呉市医師会員施設宛に280名、80施設に紹介した。今回、内科を標榜している呉市医師会員235名に記名式アンケートを実施し、79件(33.2%)から回収を得た。かかりつけ医は脂質・糖代謝の管理目標値指導、血圧や脈拍測定指導、薬の副作用指導においては高い指導率を示した。一方、飽和脂肪酸摂取制限、体重測定、カリウム摂取、魚介類摂取の指導は低値であった。LCP/CAD経験例数5例以上では脂質代謝・糖代謝の目標値指導(p=0.01)、飽和脂肪酸制限指導(p=0.02)、ω3系脂肪酸摂取指導(p=0.01)、仕事量の調節(p=0.03)の指導に差を認めた。LCP/CAD経験5例以上群では LCP/CAD が診療や患者指導に有効で(p=0.05)、管理目標値が適切と評価した(p=0.03)。

 LCP/CADを5例以上経験するとかかりつけ医から患者への生活習慣改善指導が充実する。

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