日本医療マネジメント学会雑誌
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診療プロセス管理の財務的観点からの重要性:病院管理職の認識に基づいて
荒井 耕古井 健太郎渡邊 亮阪口 博政横谷 進
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2016 年 16 巻 4 号 p. 209-212

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抄録

 本研究の目的は、診療プロセスと費用及び採算性との関係性を推測することである。2014年6〜7月に、DPC/PDPS(Diagnosis Procedure Combination/Per-Diem Payment System)対象1585病院の管理職に対する質問票調査として実施した(回収率16.7%)。その結果、同一DPCにおいて在院日数が標準から外れて長い症例で費用が高く採算が悪いと認識している傾向があり、また在院日数のばらつきが大きいDPC症例群の方で採算が悪いと認識している傾向もあることが判明した。さらにクリティカルパス(以下、パス)が設定されているDPCにおいて、パスから外れた症例の方で費用が高く採算が悪いと認識している傾向があり、加えて対応するパスのないDPCの方で採算が悪いと認識している傾向もあることが判明した。これらの結果は、パス等によって診療プロセスを標準管理することが、病院の採算管理にとって重要であることを意味している。また、診療報酬抑制下での病院の採算管理行動に対処するために、診療報酬制度等の工夫が必要である可能性を示唆している。しかし診療プロセスと費用及び採算とのこれらの関係性は、原価計算に基づく財務的証拠に支えられた事実ではなく、あくまでも病院管理職の経験に基づく知見(認識)でしかない。こうした認識が事実であるかを今後検証する必要がある。

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© 2016 特定非営利活動法人 日本医療マネジメント学会
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