日本医療マネジメント学会雑誌
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事例報告
実地指導者の新人看護師支援に対する自己評価および他者からの支援についての評価
中山 サツキ山田 晃子渡邉 めぐみ
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2017 年 18 巻 2 号 p. 79-84

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抄録

 新人看護師を指導する看護師への支援について示唆を得るために実地指導者を対象に、新人看護師への支援状況の評価および実地指導者が受けた他者からの支援について明らかにすることを目的に調査を行った。2013年度に大阪医科大学附属病院で実地指導者の役割を担った看護師110名を対象に質問紙調査を実施した。分析は、単純集計および同年度の実地指導者研修受講の有無による回答の差については、SPSS.Ver(20)でMann-WhitneyのU検定を実施し分析した。結果として、新人看護師への支援では 「看護技術の手本を示した」(97.6%)など、肯定的な回答が80%以上であったものが35項目中29項目であった。他者から指導者への支援では、80%以上が全5項目において支援を受けていると肯定的な回答であった。実地指導者自身の役割に対する思いでは、「自己の成長につながった」(95.3%)、という一方で「指導者の役割を担うことでストレスを感じることがあった」(68.2%)であった。実地指導者研修受講の有無において有意差(P<0.05)を認めたのは、「実地指導者としてのやりがい」等の3項目であり、いずれも研修受講者の方が肯定的な回答が多い傾向にあった。実地指導者は、やりがいや自己成長を感じつつも同時にストレスを感じながら指導に臨んでいるため、指導者自身のメンタルサポートも配慮した支援が非常に重要であることが示唆された。

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