2018 年 18 巻 4 号 p. 238-241
大学病院で退院調整に関わる病棟看護師の退院調整能力と看護ケア能力との関連を明らかにすることを目的とした。
調査は、大学病院に勤務し病棟で退院調整に関わる看護師196名を対象とし、自記式質問紙調査票を配布した。調査内容は、基本属性、退院調整能力、看護ケア能力とした。退院調整能力と看護ケア能力、看護ケア能力を構成する7つの各コンピテンスとの相関係数を算出した。さらに、退院調整能力を目的変数、看護ケア能力を構成する7つの各コンピテンスを説明変数として重回帰分析を行った。
欠損データの無い150名を有効回答とした(有効回答率80.6%)。分析の結果、退院調整能力は、看護ケア能力(r=0.379、p<0.01)と有意に正の相関がみられた。さらに看護ケア能力を構成する7つの各コンピテンスすべてと有意に正の相関がみられた(r=0.236〜0.538、p<0.01)。重回帰分析の結果では、退院調整能力を説明する変数としてケアコーディネーションのコンピテンスのみが抽出された。
看護ケア能力は退院調整能力の一部であり、退院調整能力は看護ケア能力と関係している。退院調整能力向上のためには看護ケア能力向上が必要であると考える。