2018 年 18 巻 4 号 p. 252-255
公益社団法人鹿児島共済会南風病院(以下、当院)は、がん診療を柱としており、当院の呼吸器内科でも肺がんの紹介患者は年々増加している。呼吸器内科医師は多忙であり、過重労働の負担軽減が喫緊の課題であった。また、これまで手術適応の肺がん患者は関連大学病院へ紹介し対応していたが、呼吸器外科医師が交代で勤務する体制となり、当院での手術が可能となった。非常勤の呼吸器外科医師は普段使用している電子カルテと異なり、院内の仕組みについても不慣れな面があることから、医師事務作業補助者(Doctor's Clerk、以下DC)が介入し電子カルテ操作を支援した。また診察から手術までの一連の診療の流れがスムーズに行えるように医師支援業務を構築した。呼吸器内科、呼吸器外科との連携を図るため、肺がんと診断された段階より、手術から術後管理までDCが介入し連携強化に努めた。DCの介入効果をアンケート調査したところ、呼吸器内科、呼吸器外科の連携につながったと全ての医師が回答した。急性期病院においてDCの導入効果は大きく、今後もさらなる医師支援業務の充実を図りたい。