2018 年 19 巻 2 号 p. 103-107
我々は、ストレス自己統制尺度、気分尺度、心理特性、ストレス度の4つの尺度を心理的バイタルサイン(Psychological vital sign:PVS©Mie-chuo MC)と定義し、看護学生や卒業後就業した看護師の心の健康度の指標としてきた。本研究では、厚生労働省の職業性ストレス簡易調査票を看護学生用に修正した「看護学校生活ストレス簡易調査票(学校生活調査票)」の構成概念妥当性について検討した。学校生活調査票は、従来の気分尺度に強い相関を示し、これらの関係は、構造方程式モデリングによって3つの因果モデルとして示された。すなわち、看護学生の実習中の気分の変化について、不安が高いものほど、緊張・不安、抑うつ・落ち込み、怒り・敵意、疲労、混乱といったネガティブな気分状態が高くなり、活気は逆に低くなっていた。さらに、心理的ストレス反応の18項目に関する各尺度のCronbachα信頼度係数は高く、因子分析の結果からは、ほとんどの項目は尺度と因子が一致しており、各尺度の内的整合性や信頼性が良好であることが示された。今回の検証で、学校生活調査票の心理的ストレス反応は、従来の気分尺度と強い相関があり、その構成概念妥当性が証明された。