2018 年 19 巻 3 号 p. 167-172
今回、ひかりメディカルグループに在籍する常勤セラピスト182名の残業時間を短縮するため、2016年8月(以下、第1回調査)から2017年3月(以下、第2回調査)にかけて取り組みを実施した。対象は、経験年数を元にカテゴリーAは新卒者、Bは2年目以降、Cはリーダー、Dは役職者の4つに分類した。残業時間短縮への取り組みは、1)「残業5時間未満/月の達成」の目標設定、2)残業時間と自己研鑚の区分け基準の設定と残業事前申請制度の導入、3)A・Bの取得単位数の調整、4)リハビリテーション部主催の勉強会の業務時間内開催の4項目を実施した。結果、A・Bでは第1回調査と第2回調査で平均残業時間が有意に短縮し目標を達成した。一方C・Dは、残業時間は短縮したが目標達成には至らず、特にCは第1回調査と比較して第2回調査で有意な差を認めなかった。今回実施した取り組みは、リハビリテーション部としての時間の使い方が主であり、他部署との関わりが少ないA・Bには有効であった。CとDの残業要因は他部署との関わりや患者、家族への対応に加えAのフォローなど、今回の取り組み以外の業務であると考えられる。特にCでは第1回調査と比較して第2回調査で有意な差を認めず、業務の集中が推測される。残業時間の短縮は、職場環境への満足度やストレスケアの観点、自己実現に向けた研鑚時間を確保するためにも必要であり、今後Cの残業時間短縮を課題として取り組む。