日本医療マネジメント学会雑誌
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事例報告
バランスト・スコアカード(BSC)を活用した医療安全活動
櫻庭 優子杉山 直幸
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2018 年 19 巻 3 号 p. 161-166

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抄録

 バランスト・スコアカード(BSC)は戦略的マネジメントツールであり、スタッフによる活動状況の追跡やそれらの活動から得られる成果をモニタリングすることが可能となる。我々は2015年よりBSCを医療安全のマネジメントツールとして導入した。BSC作成において到達目標をQuality indicator(QI)として設定した。2016年には能代厚生医療センター独自の「危険度分類ABC」を作成した。この分類では、患者影響レベルに関係なく未然に防いだ事例をA、警鐘事例はC、AとC以外はBとした。結果、インシデントの報告が814件増加(総数2689件)した。報告されたインシデントのうちレベル0は30.8%となり、目標値として設定した30%を超える成果が得られた。BSCとQIの導入による客観的な指標を用いての職員への周知が、このような医療安全活動の促進に寄与したと考えられた。BSCは医療安全活動のマネジメントツールとして有用である。

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