2020 年 21 巻 3 号 p. 135-140
近年、医療機関では、効率的かつ安定した経営と患者への医療・看護の質を維持するため、手術室の効率的なマネジメントを目指している。本研究では、手術・麻酔時間区分と手術・麻酔領域要因との相関関係を明らかにすることを目的とした。対象は、2018年1月1日から2018年12月31日までに国立病院機構長崎医療センターで実施された予定手術4614件とした。
病棟看護師から手術室看護師に申し送りが行われる時間は平均(標準偏差):6.2(3.5)分であり、各診療科によって、手術室入室から手術開始などの時間区分にも違いがみられた。入室から手術開始までに実施される麻酔導入・手術準備時間は、麻酔法(局所麻酔、硬膜外麻酔、脊椎くも膜下麻酔、静脈麻酔、全身麻酔、伝達麻酔)、手術体位(仰臥位、側臥位)、硬膜外カテーテル挿入、末梢輸液ライン、動脈ライン、中心静脈カテーテル挿入、超音波診断装置、移動式X線透視撮影装置、手術用ナビゲーションユニット使用で有意な相関関係がみられた。さらに、手術・麻酔領域要因を分析し、回帰式を得ることで、麻酔導入・手術準備時間の推定が可能となった。手術室の時間区分は、手術領域要因と麻酔領域要因に相関関係があった。それを踏まえて日々の手術スケジューリング、システム構築を行うことで、効率的なマネジメントを図ることができる。