医療マネジメント学会雑誌
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クリティカルパス上のアウトカムマネジメントと今後の課題
野村 一俊
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2001 年 1 巻 3 号 p. 187-189

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抄録

今、我が国の医療は、従来のプロセスを重視した医療から、成果を重視した医療、すなわち、成果医療 (アウトカムマネジメント) への転換が求められている。この成果医療を達成するための極めて有効な臨床マネジメントツールがクリティカルパス (以下CPと略す) である。従って、CP上で成果医療を実現させていくためにはアウトカム (退院基準、在院日数) の設定が最も重要である。これまでの経験より、CPが導入されると臨床アウトカムと患者・職員満足が改善されてきている。そして、その結果として必然的に在院日数は短縮しコストの削減効果も出てきている。すなわち、CPの活用により、成果医療の4つのアウトカム (臨床アウトカム、顧客満足、在院日数、財務アウトカム) が改善されることが実証されている。
我が国では、現在、CPは導入が始まったばかりであるが、今後は、CPへのEBMの取り込み、CPの適用拡大、連携医療用CPの開発、長期成績調査によるCPの検証が重要になってくるであろう。

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