医療マネジメント学会雑誌
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1 巻, 3 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
  • 向原 茂明
    2001 年 1 巻 3 号 p. 177-178
    発行日: 2001/02/01
    公開日: 2011/03/14
    ジャーナル フリー
  • クリティカルパス開発の限界と可能性
    松島 照彦, 富沢 巧治, 島倉 秀也, 田中 利和, 野末 睦
    2001 年 1 巻 3 号 p. 179-186
    発行日: 2001/02/01
    公開日: 2011/03/14
    ジャーナル フリー
  • 野村 一俊
    2001 年 1 巻 3 号 p. 187-189
    発行日: 2001/02/01
    公開日: 2011/03/14
    ジャーナル フリー
    今、我が国の医療は、従来のプロセスを重視した医療から、成果を重視した医療、すなわち、成果医療 (アウトカムマネジメント) への転換が求められている。この成果医療を達成するための極めて有効な臨床マネジメントツールがクリティカルパス (以下CPと略す) である。従って、CP上で成果医療を実現させていくためにはアウトカム (退院基準、在院日数) の設定が最も重要である。これまでの経験より、CPが導入されると臨床アウトカムと患者・職員満足が改善されてきている。そして、その結果として必然的に在院日数は短縮しコストの削減効果も出てきている。すなわち、CPの活用により、成果医療の4つのアウトカム (臨床アウトカム、顧客満足、在院日数、財務アウトカム) が改善されることが実証されている。
    我が国では、現在、CPは導入が始まったばかりであるが、今後は、CPへのEBMの取り込み、CPの適用拡大、連携医療用CPの開発、長期成績調査によるCPの検証が重要になってくるであろう。
  • 飛野 幸子
    2001 年 1 巻 3 号 p. 190-192
    発行日: 2001/02/01
    公開日: 2011/03/14
    ジャーナル フリー
    クリティカルパス (以下パスと略す) における薬剤師の関わりについて、当院での現状について報告する。当院では1996年より全病院的にパスに取り組んでいる。当初は看護部が主体であったが、パスがうまく機能するためにはチーム医療が不可欠であり、医師を中心に多職種による取り組みを開始した。薬剤師の役割は、安全で有効かつ経済合理性も考慮にいれた薬物療法をサポートすることである。最初に取り組んだのは、術後感染予防目的で投与される抗生物質の検討であった。その際EBMを活用し、文献検索と現状分析を行い、抗生物質投与に関する根拠を提示した。その結果、投与タイミングは術直前、投与薬剤は目標菌にターゲットを絞った第一または第二世代のセフェム系を原則とし、投与日数は短縮された。また、院内感染対策に対する意識も向上し、サーベイランスの動きも活発になった。
    さらに、チーム医療が促進され、EBMに対する理解も深まりつつある。薬剤師にとっては、薬局業務の再構築のツールともなった。特に病棟業務において、医療現場のニーズに答えるために、たえず問題意識を持ち、実行可能な解決策を模索している。今後、パスを活用した薬剤管理指導業務記録の改善やDUE (Drug Use Evaluation) を試みたいと考えている。
  • 坂本 すが
    2001 年 1 巻 3 号 p. 193-195
    発行日: 2001/02/01
    公開日: 2011/03/14
    ジャーナル フリー
    CP作成からCP本来の改善ツールに使用していくまでの方法、問題点、打開策について述べる。
  • 業務改革が医療の質を飛躍的に転換する
    方波見 柳子, 松川 文子, 福田 幾夫
    2001 年 1 巻 3 号 p. 196-202
    発行日: 2001/02/01
    公開日: 2011/03/14
    ジャーナル フリー
    我々は、専門職種の相互間の業務を明確にし、仕事の効率とその利益を追求しつつ、医療の質を飛躍的に転換するための一方法である全員参画型のクリティカルパスを開発した。
    開発は、医療者側がパスの作成および過程における意義や運用を全職員が理解すると共に、患者が期待した医療行為が受けられる計画の最適スケジュールを作成することを目的とした。
    対象は、筑波メディカルセンター病院で、1996年から1999年度の4年間におけるクリティカルパスの作成過程を対象とした。
    第一段階では、1996年の1年間における冠状動脈バイパス術の調査、分析を行い、関わった専門領域間で討議した結果をもとに1997年に病棟で業務改革を行うこととした。第二段階では、1998年から病院事業として、パス作成を行った。それは、第一段階を踏まえた作成前の調査、分析、専門職種の相互の意見交換をもとに、専門領域間の仕事の内容分析と仕事の明確化を図り作成に到った。そして、パスの試行や施行の評価を行い、患者を含む医療者の意見等から修正し、さらに改善を図った。
    その結果、患者さま用、医療者用、医事課用、薬剤科用の4枚1組のパスができた。そのうち患者さま用以外の3枚は、複写にし医師のオーダーを挿入したものができた。
    パス開発を通して、治療計画が最適スケジュールに向かうための繰り返しの調査や全員参画型の重要性が示唆され、パスの根本である医療の質についての意味を浮上させた。
  • 野末 睦, 丸山 常彦, 福江 真隆, 青柳 啓之, 倉田 昌直, 大島 祐二, 谷口 英樹, 深尾 立
    2001 年 1 巻 3 号 p. 203-208
    発行日: 2001/02/01
    公開日: 2011/03/14
    ジャーナル フリー
    複雑な病態を呈する疾患へのパス導入として単純性イレウスに対するパスを作成、試行した。パス作成にあたっては、筑波記念病院に過去2年間単純性イレウスで入院した29例の経過分析を行い、初発症状での嘔吐の有無により、症例を2群に分け、嘔吐を伴わない群では絶食のみの治療、嘔吐を伴う群では胃管挿入とした。その後は胃管挿入後6日間で改善のないものにイレウス管挿入、さらにイレウス管挿入後7日間改善しないものに手術を考慮することとした。このように、パスの構造にはアルゴリズム的要素を入れた。このパスを新たに入院してきた単純性イレウス患者5人に適応したところ、パスに則って治療が遂行され、良好な結果を得た。
  • 岡田 晋吾, 遠藤 明太, 貝塚 広史, 高田 竹人
    2001 年 1 巻 3 号 p. 209-214
    発行日: 2001/02/01
    公開日: 2011/03/14
    ジャーナル フリー
    函館五稜郭病院は病床数636床 (内ドック7床) の一般総合病院である。医療環境の急激な変化に対応するため当院でも急性期型病院として平均在院日数の短縮、紹介率のアップを目指し平均在院日数短縮委員会や地域医療連携室を設置して効果を上げてきている。
    今回我々は当院での平均在院日数短縮化への取り組みと外科病棟におけるクリティカルパス (以下CP) の導入について紹介し、術後平均在院日数の変化について検討したので報告する。
    平均在院日数に関しては委員会の設置後在院患者数を減らすことなく30.3日 (1994年) から21.7日 (1999年) まで短縮することができた。これは積極的な空床利用をはじめとする全病院的な取り組みの結果であった。
    またCPに関しては当初看護部門から導入されたものであったが、腹腔鏡下胆嚢摘出術のCP導入前後で比較すると術後在院日数が導入前平均9.97日であったのが導入後平均8.52日まで短縮していた。しかし医師のCPに対する協力が得られてからは平均6.73日と更なる成果が得られた。
    今後もDRG (Diagnosis Related Groups) /PPS (Prospective Payment System) の導入など医療を取り巻く環境はさらに厳しくなるものと思われるが病院全体による取り組みと積極的なクリティカルパスの利用により十分に対応できる可能性が示された。今後当院でもCP委員会の設置や講演会などを積極的に行いCPに対する理解を深め活用し、地域中核病院として地域に質の高い医療を提供できるよう努力していきたい。
  • 再還流に成功した急性心筋梗塞を対象として
    宮澤 総介, 成味 純, 宮田 晴夫, 鈴木 厚子, 杉浦 徹, 吉原 修
    2001 年 1 巻 3 号 p. 215-218
    発行日: 2001/02/01
    公開日: 2011/03/14
    ジャーナル フリー
    適切な在院日数を検討する目的で、急性心筋梗塞58例を対象として、医師が記載したヴァリアンスを集計、分析した。
    その結果、心筋梗塞に特有の虚血、心不全、不整脈などのヴァリアンスは3日で88%、5日で97%、8日で100%解決した。発熱、譫妄、貧血など、その他のヴァリアンスは5日で80%、8日で100%が解決した。したがって、インターベンションが成功した急性心筋梗塞における在院日数は、8日間まで短縮することが可能であると考えられた。
    ヴァリアンスを集計、分析することはチームのエビデンスを導き出すための過程であるとも言え、適切な在院日数を検討するうえで有用である。
  • 西岡 みどり, 森兼 啓太, 小西 敏郎, 小林 寛伊, 埋田 聖子, 大久保 憲, 草地 信也, 向野 賢治, 永井 勲, 横山 隆, 小 ...
    2001 年 1 巻 3 号 p. 219-222
    発行日: 2001/02/01
    公開日: 2011/03/14
    ジャーナル フリー
    手術部位感染Surgical Site Infection (SSI) 率の標準化には、手術時間・創分類・ASA physical statusの3要素を用いるNational Nosocomial Infection Surveillance (NNIS) SSI Risk Indexが世界的に普及している。本研究では同lndexのわが国での評価を目的とした。
    Japanese Nosocomial Infection Surveillance (JNIS) systemの参加8施設にて収集された大腸、胆嚢、胃、および胆管・肝・膵臓手術症例、合計963例を対象とし、SSIについて多変量解析を実施した。
    SSIは963例中51例 (5.3%) に、平均8.2±4.7日目で発生していた。多変量解析でSSIと関連があったのは、創分類 (OR: 7.13, 95%CI: 3.10-16.42, p=0.0001) と鏡視下手術であった (OR: 0.09, 95%CI: 0.01-0.83, p=0.0334) 。
    同lndexの3要素は同じ重みで用いられているが、消化器外科手術のSSI率を調整する上で、最も重要なものは創分類であった。今後、より詳細な分析を実施し、適切なリスク調整手法を開発する必要がある。
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