医療マネジメント学会雑誌
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クリティカルパスの開発
業務改革が医療の質を飛躍的に転換する
方波見 柳子松川 文子福田 幾夫
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2001 年 1 巻 3 号 p. 196-202

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抄録

我々は、専門職種の相互間の業務を明確にし、仕事の効率とその利益を追求しつつ、医療の質を飛躍的に転換するための一方法である全員参画型のクリティカルパスを開発した。
開発は、医療者側がパスの作成および過程における意義や運用を全職員が理解すると共に、患者が期待した医療行為が受けられる計画の最適スケジュールを作成することを目的とした。
対象は、筑波メディカルセンター病院で、1996年から1999年度の4年間におけるクリティカルパスの作成過程を対象とした。
第一段階では、1996年の1年間における冠状動脈バイパス術の調査、分析を行い、関わった専門領域間で討議した結果をもとに1997年に病棟で業務改革を行うこととした。第二段階では、1998年から病院事業として、パス作成を行った。それは、第一段階を踏まえた作成前の調査、分析、専門職種の相互の意見交換をもとに、専門領域間の仕事の内容分析と仕事の明確化を図り作成に到った。そして、パスの試行や施行の評価を行い、患者を含む医療者の意見等から修正し、さらに改善を図った。
その結果、患者さま用、医療者用、医事課用、薬剤科用の4枚1組のパスができた。そのうち患者さま用以外の3枚は、複写にし医師のオーダーを挿入したものができた。
パス開発を通して、治療計画が最適スケジュールに向かうための繰り返しの調査や全員参画型の重要性が示唆され、パスの根本である医療の質についての意味を浮上させた。

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