2001 年 1 巻 3 号 p. 203-208
複雑な病態を呈する疾患へのパス導入として単純性イレウスに対するパスを作成、試行した。パス作成にあたっては、筑波記念病院に過去2年間単純性イレウスで入院した29例の経過分析を行い、初発症状での嘔吐の有無により、症例を2群に分け、嘔吐を伴わない群では絶食のみの治療、嘔吐を伴う群では胃管挿入とした。その後は胃管挿入後6日間で改善のないものにイレウス管挿入、さらにイレウス管挿入後7日間改善しないものに手術を考慮することとした。このように、パスの構造にはアルゴリズム的要素を入れた。このパスを新たに入院してきた単純性イレウス患者5人に適応したところ、パスに則って治療が遂行され、良好な結果を得た。