医療マネジメント学会雑誌
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頚椎椎弓形成術に対するクリティカルパスの活用
術後訓練進行の早期化について
坂本 浩樹楢橋 政和早田 尊彦野村 一俊橋本 伸朗平野 真子
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2003 年 4 巻 3 号 p. 401-405

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抄録

頚椎椎弓形成術に対する装具非使用での訓練について報告した。クリティカルパスを利用し、アウトカム (退院基準、在院日数) の見直しを行うことで、術後訓練が早期に進行した。パス見直し後に、在院日数を4週、3週、2週へと設定した。術後平均の坐位、立位、独歩の各開始時期は、4週パスで3.3±2.7日、4.3±2.7日、7.0±8.1日。3週パスで1.2±0.4日、2.2±1.0日、4.1±2.3日。2週パスで1.0±0.0日、1.6±1.7日、3.1±3.0日であった。術後平均の在院日数は4週パスで31.9±10.8日。3週パスで20.2±6.0日。2週パスで16.7±6.4日であった。術前から訓練の指導や説明を行うことで、術後訓練がスムースに進行した。超早期離床にあたっては、頚部に過度の負担がかからないように、起き上がり動作に注意して訓練を行った。バリアンス調査においては、超早期離床に関する負のバリアンスは無かった。転院率は各パスとも約4割であった。術後転院となる症例に対しては、連携施設と共同開発した専用の連携パスを使用し、情報の共有に努めている。クリティカルパスは医療の成果を管理する有効なツールである。

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