医療マネジメント学会雑誌
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個別性やバリアンスを取り入れた第3世代クリティカルパス「クリッパくんII」
田中 利和松島 照彦小松 恒彦小関 迪大内 敦子友部 和広木田 文二
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2003 年 4 巻 3 号 p. 434-439

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抄録

クリティカルパスは、医療の質の充実、患者に対するインフォームド・コンセントの実践、チーム医療の推進、平均在院日数短縮などの多様な利点から、多くの医療施設で取り入れられ、すでに医療現場に必須のものとなっている。しかしクリティカルパスもバリアンスにより逸脱してしまう例が生じると、本来の目的が果たせなくなってしまう。今回我々は患者の多様性、個別性を初期条件として層別化したクリティカルパス「クリッパくんII」を作成したので紹介する。「クリッパくんII」は作業内容など条件設定を行う『マスタ管理』と実際に運用する『クリティカルパス』の2セットのソフトウェアから構成されている。『マスタ管理』においては疾患ごとのアウトカム、初期条件の設定、患者の個別性が反映出来るような設定を行う。また、アウトカムは詳細ボタンを押すと、選択している項目ごとの開始条件、終了条件が決定できる。開始条件は病日や、前出のアウトカムの達成状況、などを条件に出来るため、アウトカムが達成できなければ自動的に予定が延長され、達成すると次のアウトカムが画面に出るように簡単に条件設定が可能である。条件設定が終了したら、『クリティカルパス』で運用する。『クリティカルパス』には日々の患者の状態をチェックし、温度板機能、医師記録、看護記録もあり、カルテとしても使用可能である。また、毎日アウトカムが現れそれをクリアすると翌日のアウトカムが出現するという双方向感覚で使用可能であり患者のモチベーション向上にもつながる。

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