医療マネジメント学会雑誌
Online ISSN : 1884-6793
Print ISSN : 1345-6903
ISSN-L : 1345-6903
進行期Parkinson病患者の入院に対するクリティカルパスの導入
栗崎 玲一中田 美智代石井 文子山中 恵巨植川 和利
著者情報
ジャーナル フリー

2006 年 6 巻 4 号 p. 614-618

詳細
抄録

2004年6月から9月の間にOn-Off現象やWearing-Offなどの症状の日内変動, 薬剤誘発性精神症状 (Drug induced psychosis; DIP) などで内服薬調整のために当科入院したParkinson病 (Hoehn & Yahr III~IV) の患者5名に対して, 教育・内服コントロールを目的とした入院のクリティカルパスを作成・使用して, その効果について検討を加えた. 結果, (1) 薬剤コントロールの過程がスタッフ間で共有しやすくなった, (2) 栄養士・薬剤師・理学療法士等の多職種間でのチーム医療の推進が図られた, (3) Unified Parkinson's Disease Rating Scale (UPDRS) を用いた患者評価の標準化を達成し, 治療効果判定に有用であった, (4) DIPを有する患者に対してはクリティカルパスの運用に際しバリアンスが生じた. 今回のParkinson病患者に対するクリティカルパス使用はおおむね有効であったが, 症例毎のテーラーメイドの薬物治療を必要とするParkinson病では元々治療面でもバリアンスが生じやすい傾向があるのに加え, 家族指導等も十分考慮する必要があるものと考えられた. Parkinson病に対するクリティカルパスの使用は, チーム医療の質の向上に加え, 患者の生活の質の向上ももたらすものと考えられ, 今後も改良と適応の拡大に努めていきたい.

著者関連情報
© 医療マネジメント学会
前の記事 次の記事
feedback
Top