抄録
当院では平成15年9月の電子カルテ導入により, 周辺環境を含めたIT化, 合理化が可能となった.しかし現実には「実施入力漏れ」が疑われるケースが多発し, 医事担当者の確認工数の大幅な増加を招いただけでなく, 「実際の注射施用とカルテの整合性」や「医薬品管理の精度」についてもその信頼性が懸念されていた.
今回, われわれは薬品管理システムの更新を機に, 在庫管理面から出庫薬品のアリバイをチェックすることにより, 電子カルテの「注射薬実施入力漏れ」・「入力間違い」防止の対応を実施した.
サンプル調査の結果から, 定期出庫された注射オーダの「注射薬実施入力漏れ」はなくなった.このことは逆にシステム運用前は, 全注射オーダの4-5%に「実施入力漏れ」等の処理忘れの可能性があったことが指摘でき, また緊急時に在庫使用された注射薬の事後入力データの1-2%に入力間違いがあることも確認された.
実施入力の徹底はカルテの真正性を担保することでもあり, 管理精度が向上することから発注業務の自動化へも応用できるものと考えている