2010 年 7 巻 p. 87-96
大学における体育のねらいは、学生に運動刺激を与え運動習慣を定着させるための知識を習得させ、技能を獲得させることである。発育や発達の程度を測定し、適当な運動刺激を提供するために学生の身体の状況を知ることが重要である。本研究の目的は、北星学園大学男子学生の体力の推移を分析し、今後の体育授業の課題を見いだすことである。1975年から2006年までの間に、本学の体力診断テストに参加し、入学時に18歳であった男子学生を分析の対象とした。
本研究で見いだされた知見を以下に示した。
1.身長と体重は向上し大きくなった。しかし、ローレル指数は変化が認められない。
2.筋力は大きく低下し、今後も低下する傾向が予測される。
3.柔軟性は大きく低下してきたが、近年は低下が収まる傾向にある。
4.敏捷性や瞬発力には経年変化が認められず、総合的な運動能力の低下はみられない。
5.全身持久力は、最近の13年で急激に低下した。今後はさらに低下する傾向が予測される。