日本保健科学学会誌
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作業療法学生における「手工芸に対する自己効力尺度」の作成 : 妥当性と経験値からの検討と標準化
鎌田 樹寛山田 孝
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2009 年 12 巻 2 号 p. 106-116

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抄録

本研究の目的は,先行研究で用いられた作業療法学生(以下,学生)の「手工芸に対する自己効力尺度(以下,本尺度)」を全国12地域の養成校303名の学生を対象に,(1)対象集団の代表されるデータによる回答の分布を明らかにすることによる標準化,(2)一般性セルフエフィカシー尺度(GSES)を基準とした基準関連妥当性の検討,(3)本尺度の因子分析結果からの構成概念の検討,(4)過去の経験の程度と本尺度やGSESとの関係を明らかにすることを行い,本尺度の最終的な種目を決定して尺度を作成することである。結果,本尺度に3つの下位因子構造による構成概念が確認され,GSESと本尺度との基準関連妥当性係数の検討,および過去の経験の程度と本尺度やGSESとの関係の検討などから,本尺度の最終決定種目に15種目が採択された。また,女性限定種目の選定および,回答分布から留意が必要な種目も確認された。以上から,標準的な学生集団における本尺度の「学生版」が完成した。

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2009 日本保健科学学会
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