日本保健科学学会誌
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院内助産における助産師と産科医師の連携・協働の実際─微弱陣痛による産科病棟への転棟判断経験より─
山名 香奈美
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2018 年 21 巻 1 号 p. 5-13

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抄録

院内助産における助産師と産科医師の連携・協働の実際を明らかにすることを目的に,勤務経験のある助産師と産科医師を対象として半構成的面接法にて個人インタビューを実施した。1 人1 回30 分程度で微弱陣痛により院内助産から産科病棟へ産婦を転棟させた事例の経験を聴きとった。主な内容は,転棟最終決定までの判断の実際と判断の際に重視したことである。その結果,産科医師は実質的な転棟の判断を助産師に任せていること,産婦や家族への転棟説明は産科医師自身が行っていること,転棟判断で重視していたのは助産師・産科医師ともに日勤という勤務帯であり,転棟についての施設基準はあるものの厳密な適用ではなく状況に応じた適用がなされていたことがわかった。以上より,産科医師主導への切替えは助産師の判断に基づき速やかに行われており,管理体制の問題から日勤帯を重視していると言える。また,転棟判断には病棟構造も影響することが示唆された。

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