日本保健科学学会誌
Online ISSN : 2433-3018
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21 巻, 1 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 2018 年 21 巻 1 号 p. 2-
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/11/25
    ジャーナル フリー
  • 山名 香奈美
    2018 年 21 巻 1 号 p. 5-13
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/11/25
    ジャーナル フリー
    院内助産における助産師と産科医師の連携・協働の実際を明らかにすることを目的に,勤務経験のある助産師と産科医師を対象として半構成的面接法にて個人インタビューを実施した。1 人1 回30 分程度で微弱陣痛により院内助産から産科病棟へ産婦を転棟させた事例の経験を聴きとった。主な内容は,転棟最終決定までの判断の実際と判断の際に重視したことである。その結果,産科医師は実質的な転棟の判断を助産師に任せていること,産婦や家族への転棟説明は産科医師自身が行っていること,転棟判断で重視していたのは助産師・産科医師ともに日勤という勤務帯であり,転棟についての施設基準はあるものの厳密な適用ではなく状況に応じた適用がなされていたことがわかった。以上より,産科医師主導への切替えは助産師の判断に基づき速やかに行われており,管理体制の問題から日勤帯を重視していると言える。また,転棟判断には病棟構造も影響することが示唆された。
  • 森田 牧子, 渡辺 多恵子, 山村 礎, 習田 明裕
    2018 年 21 巻 1 号 p. 14-22
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/11/25
    ジャーナル フリー
    本研究は在宅精神障害者を支援する訪問看護師が,虐待まで至らない不適切な介護に対応する中で生じる困難感について,その実態を明らかにすることを目的とした。全国訪問看護事業協会に登録している訪問看護ステーションの訪問看護師を対象に自由記載質問紙調査を実施した。136 名の看護師から回答が得られ,質的帰納法を用い分析を行った。その結果,不適切な介護を認識した看護師に生じる困難感として,看護師は【問題とする事実を表面化する難しさ】【虐待者と被虐待者に同時にケアする難しさ】を感じ,家族と関係構築が出来ているために生じる【虐待者に感情移入してしまう】困難を覚えながら訪問を行い,【介入することのためらい】【多職種と認識を共有できないジレンマ】を感じていた。虐待のグレーゾーンという状況に介入する上で重要となる客観的な判断力と連携力を向上させる教育体制,そして看護師の心的負担を軽減する環境の整備の必要性が示唆された。
  • Kunihiro Katayama, Hiroshi Yamasaki, Mitsuhiro Ookura, Kousuke Yamamot ...
    2018 年 21 巻 1 号 p. 23-27
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/11/25
    ジャーナル フリー
    今回,健常成人10 名を対象に酸素濃度14.5%の常圧低酸素環境下での下肢へのB─SES によるベルト電極式骨格筋電気刺激法(Belt electrode Skeletal muscle Electrical Stimulation:以下,B─SES)を20 分間施行し,糖代謝への影響を検討した.常圧低酸素環境下での30 分の順化後,経皮的酸素飽和度の低下を認めたが,電気刺激によるさらな る酸素飽和度の低下は認めなかった.心拍数の上昇は,低酸素環境への順化後,電気刺激後ともに認めず,低酸素環境下におけるB─SES が呼吸循環器系に与える影響は小さいものと考えられた.血糖値は,B─SES により,平均16.2 mg/dl(0.9 mmol/L)の有意な低下を認めた.常圧低酸素環境下でのB─SES による電気刺激は,より効率的に糖代謝を促進し,血糖値を低下させるかもしれない.
  • 岡前 暁生, 浅川 康吉
    2018 年 21 巻 1 号 p. 28-35
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/11/25
    ジャーナル フリー
    ショートステイを利用する要介護者の利用前後における神経精神症状の変化の関連要因を明らかにすることを目的とした.対象は要介護者50 名で,神経精神症状はNPI を改変したNPI 重症度2 日間評定版を用いて評価した.関連要因として離床時間などを調査した.NPI 重症度2 日間評定版の変化値から症状の低減群と非低減群に分類し,NPI 重症度2 日間評定版の変化(低減群・非低減群)を従属変数,2 群の比較により有意差が認められた変数を独立変数として多重ロジスティック回帰分析を行い,カットオフ値を算出した.有意な関連要因として,施設の離床時間から自宅の離床時間を減じた離床時間の差(低減群で離床時間の差が大きい,p < 0.05)が抽出された.カットオフ値は2.5 時間(感度:0.647,特異度:0.879)であった.ショートステイ利用中の施設における離床時間と自宅での離床時間との差はショートステイ利用前後にみられる神経精神症状の変化と関連していることが示された.
  • 韓 露, 張 月琳, 中楯 浩康, 青村 茂, 松井 靖浩
    2018 年 21 巻 1 号 p. 36-50
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/11/25
    ジャーナル フリー
    屋内での転倒により頭部外傷が引き起こされる事故が数多く報告されている。本研究は数値シミュレーションを用いて、転倒により引き起こされる頭部外傷に対して絨毯の保護効果を定量的に明確にすることを目的とした。本研究では、4 つの転倒姿勢を想定しヒト全身数値モデルを用いて頭部が床面に衝突した時の全身挙動を再現した。次に、頭 部に作用した外力を頭部有限要素モデルに入力し、力学的応答を計算し、骨折、脳挫傷、脳震盪の発症リスクを算出し比較した。床面は、フローリングのみ、絨毯とフローリング、アンダーフェルトと絨毯の3 種類とした。頭部外傷発症リスクは、フローリングのみが最も高く、アンダーフェルトと絨毯の組み合わせを使用した場合が最も低かった。よって、 クッション性の高い絨毯は保護性能が高く、絨毯は頭部外傷の発症率を低減させる効果のあることが判明した。
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