日本保健科学学会誌
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脳卒中片麻痺患者における座位下肢荷重力測定中の筋電図評価と歩行・バランス能力の関連
中村 学
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2018 年 21 巻 2 号 p. 67-73

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抄録

【目的】脳血管障害患者の座位下肢荷重力測定中における筋収縮開始の遅延時間,持続的な筋収縮と,歩行・バランス能力との関連を検討することを目的とした.【方法】脳血管障害患者35 名を対象とし,座位下肢荷重力測定中の麻痺側内側広筋と大腿二頭筋長頭の筋活動を筋電図で測定した.座位下肢荷重力の最大随意収縮と10 秒間の持続収縮を実施し,筋電図から求めた二乗平均平方根を用いて,歩行自立度と時間経過を2 要因とした反復測定による二元配置分散分析を実施した.【結果】持続収縮において,歩行自立群では内側広筋の筋活動が有意に高値を示した.座位下肢荷重力の最大随意収縮とFunctional Balance Scale の動的バランス項目の間で有意な正の相関を示した.【結論】本研究より麻痺側下肢の最大筋力は立位バランス能力に,持続収縮は歩行能力に関連することが示唆された.

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2018 日本保健科学学会
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