日本保健科学学会誌
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硬膜外⿇酔分娩における教育体制の課題
水尾 智佐子安達 久美⼦
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2018 年 21 巻 Supplement 号 p. 22

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抄録
【⽬的】硬膜外⿇酔分娩を取り扱う分娩施設の教育体制の実態と助産師基礎教育への要望等を明らかにする.【⽅法】硬膜外⿇酔分娩実施している7施設に勤務し,指導的⽴場にある助産師で,研究参加への同意が得られた13 名に,半構造化⾯接を⾏い,得られたデータを本研究の⽬的にそって,質的帰納的に分析を⾏った.【結果】教育体制の実態としては,「⼊職後は新⼈であっても担当」「⾃然分娩10 例のレポート提出後の担当」「プリセプター⼿添えの分娩介助10 例」「産婦受け持ちは⼀⼈ではなく,チームで関わるPNS」「OJT による分娩進⾏の観察や判断、⿇酔の使い⽅,回旋異常の矯正」「EPI チューブ挿⼊時の清潔操作,分娩後の初回歩⾏時のチェック表などマニュアルに基づくケア実践」「定例での医師との勉強会」などがあった.助産師基礎教育への要望には,「分娩三要素からの進⾏の判断⼒」「助産師教育でも⿇酔分娩の分娩介助」「⿇酔分娩の基礎知識」「微弱陣痛へのケア」「⽣理的な分娩機序から、⿇酔分娩と段階を踏まえた教育」「観察⼒洞察⼒の必要性」などがあった.【考察】硬膜外⿇酔分娩において分娩機序と⿇酔薬に関する基礎知識をふまえて,状況に応じた知識,分娩進⾏の判断⼒などの実践能⼒が重要となることが考えられた.【結語】教育体制の実態と基礎教育への要望が明らかになり,基礎教育から硬膜外⿇酔分娩におけるケア実践能⼒を⾼める⼀貫した教育体制作りが急務である.
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