抄録
【⽬的】発達障害児の上肢機能を下肢の協調性やバランス評価と同時に⽐較した報告はない.そこで本研究は,特別⽀援学校知的学級児の協調動作の特徴を明らかにすることを⽬的とした.【⽅法】対象者は平成27〜28 年度に某特別⽀援学校の知的学級1 年次在籍していた軽度発達障害児50 名(15〜16 歳)中,測定可能だった30名とした.測定項⽬は線上歩⾏,前腕回内外運動,⼿指対⽴動作,Box and Block test(BBT),膝関節伸展トルクとした.線上歩⾏,前腕回内外運動,⼿指対⽴動作の可否で対象をそれぞれ2 群にわけ,各動作の可否におけるパラメータの特徴をχ2 検定,対応のないt 検定で⽐較した.本研究は東京⼯科⼤学倫理審査委員会の承
認を得て⾏い,本⼈及び保護者には⼝頭で説明し,同意を得た.【結果】線上歩⾏の可否とつまみ動作の可否で
は両⽅⾏える者が多かった.つまみ動作が⾏えない者は回外動作も⾏えない者が多かった.線上歩⾏と回内外動作の可否に有意差はなかった.線上歩⾏が⾏えた者は利き⼿BBT が有意に多く,膝関節伸展トルクは差がなかった.【考察】下肢の協調性やバランス評価である線上歩⾏と⼿指,前腕機能,粗⼤な上肢の器⽤さを組み合わせて評価することで,対象児の特徴を把握することが可能になると思われる.【結語】特別⽀援学校知的学級児の上肢協調性は,下肢協調性やバランス評価と組み合わせて評価することで,対象児の特徴を把握することが可能になることが⽰唆された.