抄録
【⽬的】スポーツ競技者の筋の特性の理解や障害予防に筋収縮特性という観点で研究が進んでいる.しかし,本邦で筋収縮特性に関する報告は少なく,未成年者に関する報告などは,特に明らかになっていない.そこで本研究は,健常⾼校⽣における筋収縮特性の特徴を明らかにすることを⽬的とした.【⽅法】某都⽴⾼校在学の男⼦バスケットボール部員17 名(15〜17 歳)中,膝関節周囲に痛みがない16 名を対象とした.筋収縮特性測定
器を使⽤し各測定値を計測した.また体脂肪率や⾻格筋量,膝関節伸展トルク,⼤腿周径などを別途測定した.⾻格筋指数は,⾻格筋量より算出を⾏った.本研究は所属機関の倫理審査委員会の承認を得て⾏った.【結果】体脂肪率と筋最⼤変位に達するまでの時間や筋最⼤変位量の間に,さらに⾻格筋指数と筋収縮持続時間や筋弛緩時間の間に,負の相関が⾒られた.【考察】体脂肪率が⾼い⼈ほど,筋収縮に要する時間は短く,筋最⼤変位量は⼩さかった.このことから筋収縮までの時間の延⻑により,筋最⼤変位量が増加するという可能性が考えられ
る.また⾻格筋指数が⾼い⼈ほど,筋収縮持続時間と筋弛緩に要する時間が短い.つまり,筋⾁量の多い⼈ほど⾻格筋利⽤の効率が良いと考えられる.【結語】体脂肪率が⾼い⼈の⽅が筋の利⽤効率が悪く,また⾻格筋指数が⾼い⼈ほど筋の利⽤効率が良い可能性が⽰唆される.