抄録
【⽬的】10 代で妊娠・出産する⼥性は,⾃⾝のアイデンティティを確⽴しながら,⺟親役割を獲得することが求められ,同時に2 つの課題に取り組む困難さを有している.そこで本研究は,10 代で出産した⼥性が,それらの課題に対しどのように取り組み,育児期を過ごしているかを質的・記述的に明らかにすることを⽬的とした.【⽅法】妊娠判明時に20 歳未満であり,今回が初めての出産であった⼥性5 名を対象に半構成的インタビューを⾏った.インタビュー内容より逐語録を作成し,意味のまとまりごとに要約しながら質的帰納的に分析を⾏った.なお,研究の実施に際しては,所属機関における研究倫理委員会の承認を受けた.【結果】本研究の対象となった対象となった⼥
性たちは,授乳や新⽣児の泣きといった初めての体験に驚き,時に困惑しながら懸命に対処⽅法を模索していた.そして,こうした試⾏錯誤と経験の積み重ねが,児のニーズの理解や,児の成⻑に合わせた育児⾏動につながっていた.また,次第に⾃分なりの育児⽅法を⾒つけ,⼦どものいる暮らしのリズムを作り出すようになっていた.【考察】10 代で出産した⼥性は,出産後に⽣じた変化を受け⼊れるとともに,児との暮らしを新たに作り上げようとしていた.したがって,彼⼥らの⽀援に際しては,こうした⺟親として⾃律しようとする姿勢を尊重し,関わることが重要であると考える.