抄録
【⽬的】国内の⽂献を年代別に概観することで,先天性⼼疾患の移⾏期⽀援の流れを把握し,今後の展望を明らかにする.【⽅法】該当⽂献113 件を対象に,発⾏年,著者職種,内容,研究対象に分類し整理した.【結果】⽂献は1980 年代からあり,2000 年代に⼊ると急増した.最初は医師による論考であったが,2000 年以降から看護師による論考が増え,近年では社会学等の他分野の論考も⾒られる.著者別に内容を整理すると,医師は成⼈期に移⾏する際の⾝体的・⼼理社会的問題について幅広く論じている⼀⽅で,看護師はそれら問題の⽀援⽅法に関する内容が多く,医師は事例報告,看護師は研究としての論考が多かった.また近年では,医療者側から⾒た移⾏期⽀援だけでなく,その⽀援を受ける患者・親の⽴場から⾒た⽂献が増加傾向であった.研究対象も患者と親を別々に捉えた研究から,患者と親をひとつに捉えた研究にシフトしていた.【考察・結語】現在の移⾏期⽀援は,外来での継続的な関わりがすでにある医師を中⼼に⾏われているが,移⾏期を⾒据えて看護師や多職種がチームとして関わっていく必要性が⽰唆され,その⽅法についての検討が今後の課題である.また,⽣まれながらに病気を持つ⼦どもと,病気の⼦どもを突然に持つ親とでは認識に差異があることが考えられる.そのため,今後は⼦どもと親への個々の⽀援に限らず,⼦どもと親とをひとつに家族機能を⾼める⽀援⽅法の検討が求められている.