日本遺伝看護学会誌
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研究報告
先天性心疾患を持つダウン症候群の子どもを産み育てる母親の思いと親の会への参加
小池 英美高田谷 久美子山﨑 洋子
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2014 年 12 巻 2 号 p. 33-43

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抄録

 A病院の退院調整部門において支援をした、先天性心疾患を持つダウン症候群の子どもを持つ3事例の母親に、子どもの出産から現在までの思いや親の会への参加についてインタビューを行なった。逐語録から母親の思いとして150のコードが抽出され、34のサブカテゴリーに整理し、8つのカテゴリー【生命の大切さ】【子どもに障がいがあることへの戸惑い】【障がいに対するイメージ】【ダウン症に対する思い】【ダウン症の子どもの育児】【親の会の存在を知るタイミング】【親の会の価値】【ダウン症の子どもの母親であることへの自信】を見出した。母親は先天性心疾患を持って生まれた子どもの生命の危機に直面する中で、子どもの生命の大切さを思いダウン症であることに戸惑いながらも育児を通して、母親としての自信を持つに至っていた。

 子どもの命の危機に直面した母親が、子どもがダウン症である現実を次第に受け入れ、具体的な育児方法を模索していた。一方、父親の子どもへの向き合い方に戸惑っていた。母親にとって、親の会の存在は、「情報を得たい」「同じ立場の母親と関わりたい」という望みをかなえる場として、重要であった。

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© 2014 日本遺伝看護学会
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