抄録
【⽬的】電⼦線治療においてボーラスを⽤いて線量分布を形成しているのが現状である.ボーラスを⽤いずに同様の線量分布を形成できれば⾼精度かつ短時間の電⼦線治療を実現できる.そこで,電磁⽯を⽤いて電⼦線を制御する⽅法を提案する.【⽅法】磁界を通過する電⼦線にはローレンツ⼒が働き,電⼦線の進⾏⽅向を変化させる.ローレンツ⼒の⼤きさは磁束密度に依存し,この⼤きさは電磁⽯の印加電圧により調整できる.また,磁場の分布および⼤きさは電磁⽯の形状や配置の仕⽅によっても変化する.磁場計算ソフトであるPoisson-SuperFish を⽤いて電磁⽯の配置および加える電流の⼤きさを変化させた際に形成する磁場の分布および⼤きさを調べた.その結果に基づき,電磁⽯を配置した電磁⽯装置を作成した.電磁⽯装置をシャドートレイに取り付け、印加電圧を変化させた際の電⼦線の挙動をEPID(electric portal imaging device)で取得し,確認した.【結果】作成した電磁⽯装置で電⼦線を収束および偏向させることおよび印加電圧を変化させることで偏向⾓度を調整できることが確認された.【考察】作成した電磁⽯装置で発⽣させる磁場の⼤きさは,電⼦線を制御するのに不⼗分なためリターンヨークを取り付けるなど,磁場の⼤きさを強くする必要がある.【結語】電磁⽯を⽤いて電⼦線を制御することで,ボーラスを⽤いずに同様の線量分布を形成できることが⽰唆された.