日本保健科学学会誌
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看護師による「フットケア」の概念的特徴
濱谷 雅子
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2019 年 22 巻 1 号 p. 44-52

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抄録

「フットケア」の概念分析を,看護学,医学,リハビリテーション学,美容の4 分野において,Rodgers が提唱した方法で行なった。198 文献の分析の結果,「足病変の予防や改善を促す」「全身状態や生活を把握する」「看護師が行なう」「周囲の人と連携する」「セルフケアを支援する」「足部を評価する」「足に直接触れる」「足やケアの情報を共有する」 「患者を思いやる」「個別性がある」の10 個の属性が,2 分野以上から抽出された。さらに,「関わりをもつ手段である」及び「一緒に行なう」が看護学固有の属性であった。フットケアでは,患者と看護師は適度な距離を保ちながら,足に触れるという身体接触を行なっている。その相互作用を通してより深い関係性が構築されていく。看護師は,その患者と の距離感を常に意識しケアを実践している。さらに,患者と共にあるという看護実践の基本的態度が,看護学固有の概念に関係していると考えられた。

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2019 日本保健科学学会
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