日本保健科学学会誌
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特別養護老人ホームで認知症高齢者の家族が望むこと
館岡 周平會田 玉美
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2019 年 22 巻 1 号 p. 34-43

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抄録

在宅介護の政策が推進される中,近年は特別養護老人ホーム(特養)のサービス利用者定員が増加傾向を示し,重度の認知症者や在宅ケアでは対応が困難な要介護者の入所が増加している.本研究は,特養の役割の変化に応じた支援のあり方を検討するために,認知症を持つ入所者の家族が特養に対して望むことを明らかにすることを目的とする.12名の家族を対象に半構造化面接を実施し,得られたデータから19 の概念コードを生成し,3つのカテゴリー《入所者に対する職員との愛情の共有》,《家族としての責任の遂行》,《自分と周囲,互いの平穏》が生成された.家族は,家族のような細やかな配慮,家族の関わりを支える動機づけの支援,そして,できるだけ心身機能を維持しながら穏やかに余命を過ごすための介護をしてくれることを望んでいると考えられた.

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2019 日本保健科学学会
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