日本保健科学学会誌
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運動機能制限を抱える児童における日本語版 Participation and environment measure for children and youth の信頼性と妥当性の検討
高木 健志新田 收楠本 泰士
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2022 年 24 巻 4 号 p. 263-269

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抄録

目的:運動機能制限を抱える児童の参加と環境の評価方法の確立を目的に,日本語版 Par- ticipation and Environment Measure for Children and Youth(PEM-CY)の信頼性と妥当性を 郵送法で検討した.
方法:261 名の障害児の保護者を対象とし,児童の年齢・学年・疾患名・運動機能制限・ PEM-CY をアンケートで調査した.内的整合性は Cronbach’s α,再テスト信頼性は ICC(3.1) を算出し検討した.妥当性は,運動機能制限と年齢の 2 要因による二元配置分散分析を行 い,主効果を算出することで検討した.
結果:134 通を有効なデータとして使用した.Cronbach’s α は全ての項目で 0.6 以上であっ た.ICC(3.1)は全ての項目で 0.7 以上であった.分散分析の結果,運動機能制限では多 くの項目で有意な効果と小-大の効果量(0.00 ─0.32)が確認された.年齢では,多くの 項目で有意な効果は確認されず,効果量は小─中であった(0.00 ─0.04).
結論:PEM-CY は,日本の運動機能制限を抱える児童において中─高等度の内的整合性,高い再テスト信頼性,小─大の妥当性を有しており,臨床・研究場面で使用できる評価方法である.

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