2022 年 24 巻 4 号 p. 248-262
本研究の目的は,20 ─30 歳代の子宮頸がん検診の受診行動(検診受診行動)が Health Action Process Approach(HAPA)に適合するかを縦断調査にて検証することである.第 1 回調査は,基本属性,結果予期:Outcome Expectancies(OE),リスク知覚:Risk Per- ceptions(RP),Action Self Efficacy(ASE),検診受診意図,第 2 回調査は,計画:Plan- ning(P),Maintenance Self Efficacy(MSE),Recovery Self Efficacy(RSE),検診受診の 有無,ソーシャルサポート:Social Supports(SS)である.縦断データに欠損値がなく, かつ,第 1 回調査の時点で検診未受診者である 278 名を分析対象とした.HAPA を基に, OE,RP,ASE が受診意図に関係し,検診受診意図から P を経て,検診受診に至る際に, ASE,MSE,RSE および SS の影響を受ける因果モデルを仮定し,統制変数として基本属 性を投入した.仮定した因果モデルは,データに適合し,検診受診行動における HAPA は 支持された.20 ─30 歳代の子宮頸がん検診の受診行動を予測できるモデルとして,HAPA の有効性が示唆される.