日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー感染症学会誌
Online ISSN : 2435-7952
原著論文
エメダスチンフマル酸塩含有テープ剤の満足度と使用率の検討
井出 拓磨中村 真浩佐田 直子井下 綾子池田 勝久
著者情報
ジャーナル フリー

2021 年 1 巻 1 号 p. 55-60

詳細
抄録

【目的】抗ヒスタミン薬は,経口剤・点鼻剤・注射剤が用いられているが,2018年4月に経皮吸収型貼付剤としてエメダスチンフマル酸塩含有テープ剤(商品名:アレサガテープ)が販売され,普及しつつある。アレルギー性鼻炎に対する抗ヒスタミン薬の剤形の選択肢として対等に貼付剤を考慮することができるか検証するため,今回アンケート調査を行った。【方法】外来通院中の抗ヒスタミン薬内服中のアレルギー性鼻炎患者49名(男性26名,女性23名)を対象に,エメダスチンフマル酸塩含有テープ剤(4 mg)を4週間投薬し,満足度,服薬アドヒアランスおよび症状抑制作用の安定性をアンケート調査し集計した。【結果】満足以上と回答した結果が,使用感については87.8%,継続しやすさについては91.9%,効果については81.6%であった。また4週間の貼り忘れの頻度は「なし」75.5%,「1~3日」16.3%,「4~7日」8.2%で良好な服薬コンプライアンスを得られていた。さらに効果の日内変動の有無を評価するための設問として「一日の中で薬が効いていない時間を感じること」の頻度について調査したところ,「なし」69.4%,「少しあり」26.5%,「ときどき」2.04%であった。【結論】アレルギー性鼻炎患者に対する抗ヒスタミン薬の貼付剤使用は,良好な患者満足度,服薬コンプライアンス,安定した症状抑制作用を有することが示唆された。

著者関連情報
© 2021 日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー感染症学会
前の記事 次の記事
feedback
Top