日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー感染症学会誌
Online ISSN : 2435-7952
総説
Candida auris
廣瀬 由紀田渕 経司
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2022 年 2 巻 1 号 p. 1-5

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抄録

Candida aurisは2009年に我が国において患者の外耳道から分離・報告された新しいカンジダの一種である。多くの菌株で高い環境生残性・抗真菌薬耐性傾向を示し,商業ベースの検査方法では診断できないという特徴がある。そのため,真菌では初めてとなる汎世界的流行を引き起こし,世界40か国,6つの地域で検出報告がある。すでに500近い論文が発表され,そのうちいくつかではout breakも報告されている1)。急速な世界的拡大,多剤耐性による高い死亡率を持つことから,2016年Centers for Disease control and Prevention(CDC)はC. aurisを「薬剤耐性脅威レポート」においてurgent threats(もっとも優先度の高い脅威)に位置付け,警告をしている。ここ10年で世界的脅威となりつつある,C. aurisについて概説する。

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© 2022 日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー感染症学会
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