日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー感染症学会誌
Online ISSN : 2435-7952
症例報告
画像検査にて広範に頭蓋底骨欠損がみられたアレルギー性真菌性鼻副鼻腔炎の1症例
近藤 泰車 哲成楊 鈞雅川出 由佳有元 真理子内田 育恵小川 徹也藤本 保志
著者情報
ジャーナル フリー

2022 年 2 巻 4 号 p. 191-196

詳細
抄録

アレルギー性真菌鼻性副鼻腔炎(allergic fungal rhinosinusitis: AFRS)は,著明な好酸球浸潤をきたす再発率の高い難治性鼻副鼻腔炎である。今回我々は,副鼻腔computed tomography(CT)にて広範囲に頭蓋底骨欠損が疑われ,浸潤性副鼻腔真菌症や悪性腫瘍との鑑別が必要であったAFRS症例につき報告する。症例は21歳男性。他院での慢性副鼻腔炎の治療経過中に,強い頭痛,発熱が出現し,某総合病院救急外来を受診した。眼球突出とCTにて前頭蓋底・右眼窩壁・蝶形骨洞に骨欠損を認め,当科へ救急搬送された。全身麻酔下に内視鏡下副鼻腔手術を施行した。右後部篩骨蜂巣および蝶形骨洞に多量の乾酪様貯留物を認め,蝶形骨洞中隔欠損および右後部篩骨蜂巣天蓋の骨欠損を認めた。病理組織検査にて好酸球性ムチン,真菌を認め,副鼻腔粘膜への真菌浸潤を認めなかったことから確定診断に至った。本例では,CTにて特徴的な骨リモデリング所見を認め,AFRSに特異性がある所見であると考えた。治療においては,蝶形骨洞単洞化および懸垂頭位によるステロイド液点鼻療法が非常に有効であった。術後,病変の再発所見は認めず現在も経過観察中である。

著者関連情報
© 2022 日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー感染症学会
前の記事 次の記事
feedback
Top