当社の揚水発電所建設工事における,斜面掘削工事中に崩壊が発生した.調査の結果,差し目に急傾斜する不連続面が発達していることから,柱状の岩盤が前方に屈曲して折れながら,曲げ引張破壊が後方に進行していき塊状に崩壊するたわみ性トップリング崩壊であることが判明した.この山については原石山として工事期間中になくなるものの,その上流に位置する山の永久法面は,同様な地質構造を有することからトップリング崩壊を起こす可能性が懸念された.そのため,崩壊斜面の再現解析から物性値の絞込みを行ない,それらの解析結果をもとにその背後の山の安定解析を行なった.