排水処理場の連続地中壁山留め工事において発生した開削に伴う盤ぶくれ事例に関して、浸透流解析及び浸透破壊に対する安定解析を行い、発生要因の考察から次の結論を得た。(1)地盤は、シルト層と細砂層の互層になっており、掘削底面は細砂層の上にシルト層が載った状態となっていた。上部のシルト層で大きな水頭損失が発生し上向きに大きな浸透力が作用した。(2)掘削地盤は、地中壁に接したプリズムで限界状態を越えた状態となっていた。(3)しかし、実際には地中壁際に残土が存在し、押え盛土の役割を果たし、その部分の破壊はなかった。(4)掘削底面中央部で一次元上昇流の状態となり、浸透破壊に対する安定性が限界に近い状態となっていた。