腐植土層・被圧礫層を有する地盤に深さ約20mの地下構造物を構築する工事に際して検討した地下水対策の検討事例を紹介する。この工事では1)地表用に上方に水位を有する被圧水の地上への湧出・水位低下、2)掘削に伴う水位低下と腐植土層の沈下、3)地下構造物構築に伴う被圧層の地下水流動阻害による地下水位の影響が懸念された。これに対し地質調査、原位置水理試験を実施し被圧砂礫層、腐植土層の浸透特性を把握するとともに、浸透流解析により地下構造物の地下水位への影響を検討した。これら調査・解析検討をもとに井戸と被圧水を利用した地下水保全・制御対策を考案し現地に適用した。